実名弱者という生き方

本名で検索されると過去の黒歴史が掘られる『実名弱者』※となるとどうなるのか。今回の2ch個人情報流出事件で自分のこの5年間の経験が少しでも役に立てればと思い久しぶりにブログを書きます。

実際、こんなエントリーを書いたらまた過去の事件を蒸し返されたりする危険があるし正直怖いですが、今回の事件は自殺を考えている人もいるくらいですから…結論を先に言いますと、自殺する必要はありません。希望を持って下さい!


自分の場合
5年ほど前にひきこもりをやってたのですが、その時にニコニコ動画に上げてた動画が実名でネット中に拡散しました。動画の内容等は長くなるので割愛しますが、野獣先輩ごとく、僕もMADの素材になるほどでした。

もう、自分の名前を検索するエゴサーチをすると、出るわ出るわ本名+動画(顔バレ)が。それを見た時は脳天に雷が落ちたような衝撃が走り、ストレスでお腹が痛くなり下痢が止まらなくなり、このことを考えるだけで食欲はなくなるわ頭痛がするわ吐き気がするわ、しまいには頭髪がパラパラと抜けはじめました。それくらいの精神的なショックを受けます。だから今回の2chの事件で自殺をほのめかすような書き込みを見ても、それが決して大げさなことではないとわかるのです。とてもとてもその痛みがわかります。

今でこそTwitter等でやらかした若者が実名弱者に陥る人も多くなって来ましたが、当時は実名弱者になってしまった人はほとんどいなかったので、まったくもって孤独な闘いでした。
多い時は300個ほど動画がネットに拡散し、自殺も考えるほど辛かったです。誰にも言えない苦しさ。ネットで実名と黒歴史が拡散すると、基本的に消えません。永久にネットの世界では残り続けます。これは就職に響くとかいうレベルじゃなく、親戚付き合いや結婚や孫の代まで響くということです。

「ネットで検索するとひいおじいちゃんの奇行が未だに出てくるwww」なんて会話が100年後されるかもしれません…。

永久に恥が消えない。この苦しみは遺伝子を自分の代で終わらせたくなる衝動に駆られるほどでした。昔なら切腹。今なら自殺。

ネットで赤の他人を面白半分で特定する人には、このことをよーく知ってもらいたい。特定した人は、どれほどの痛みと苦しみを人に与えたのか、自覚してもらいたい。面白半分で罪を背負うことになりますよ。


それからどうなったか
当時はひっきーでしたが、この事もあり、立ち直りに時間がかかりました。もう就職は絶望…と思ってましたから。


実害
最初のほうは携帯電話に非通知の電話が来たり、動画が拡散したりとありましたが、すぐに沈静化しました。携帯は解約したら当然もうかかってこなくなりました。


他人に言われるか?
これは今回の事件の被害者に知ってもらいたいことなのですが、案外、人は自分のことを検索しないし、もし検索してたりしても言わないですね。親戚の集まりでも特に言われません。

確かに一度か二度、友人に言われたことありました。そんな時は「人をエゴサーチすることをゲスサーチって言うんだぜ」と言い返すことにしてます。

昔は恋した人の後をつけることは情熱的と言われ、特に問題なかったのですが、今ならストーカー呼ばわりですね。これを見習い、人の実名を勝手に検索することを「ゲスサーチ」呼ばわりしてやりましょう。そのうち、エゴサーチはマナー違反となる時が来るでしょう。



今回の事件の実害に備える
僕の場合はGoogleで出てきちゃいますが、流出データベースの中身はGoogleに出てきません。普通の人はググることも苦手なくらいなので、まず検索されることはないでしょう。あるとすると、会社のメアドで登録していてるなどの場合、チクリだと思います。先にログを調べておいて、誤魔化せる範囲で誤魔化して下さい。「家族が自分のカードを勝手に使って書き込んだだけ。キツく叱っておいた」とかちょっと卑怯でも仕事を守って下さい。
また個人のメアドや電話番号もSNSなどで検索可能だとチクられる可能性があります。すぐにSNSに登録してる方のメアドを変更して電話番号を削除して下さい。
今嫌がらせしてる人は暇な2ちゃんねらーだと思いますので、いずれ沈静化するでしょう。



実名弱者になった時の心構え
1)開き直る
過去のことを自分の中でどう処理するか。ああ、そんな時もあったなぁと思ってます。これもまた運命だと受け入れて、そこからいかに前向きに考えられるか挑戦中です。なにせこの問題は自分の問題だけでなく、今後時代的な問題になると思ってますから。


2)ゲスサーチする奴が悪い
相手の名前で検索して弱点を見つけようなんて人のほうが当然悪いです。例え問題があったことだとしても、本人は十分すぎるほど痛みを負ったのです。実名弱者は過去に起きたことを蒸し返されてるに過ぎません。自分を責める必要は一切ありません。
もし将来的に人に言われたら「若気の至りでした。お恥ずかしい限りで」と言うつもりです。それ以上に突っ込んでくる人はいないでしょうし、言う側としては過去のことを精算出来てないことを期待してるので、面白みのない回答をしましょう。変に誤魔化すほうが炎上の餌を与えるようなものです。


3)人間は色々な面がある
僕のように、今は爽やかな青年だと思われることもあったりすると、過去のことを知るとショックを受けるかもしれません。けど、人間は色んな面があって人間だし、そういうことがわかってる人と付き合うべきです。一種、僕の過去は多面性を理解出来る人だけを選別するリトマス試験紙のような役割になってます。


4)過去のことも受け入れる器のあるところで働ける
ひっきーだったのでどっちにしろ職につけず、実名弱者であったことが就職に関係したかどうかわからないのです。ここは参考にならなくてすみません。
でも結局働けるようになった時は、そんなこと気にするような経営者のところでは働いてません。そういう経営者のところで働いたほうが幸せだと思います。取引先の方も一々言ってくることはないですし。


5)削除出来るものは削除する
それでもそりゃ見られたくないというのが人情です。
僕はたまにニコニコ動画等であがってたら削除依頼してます。なんせ気分悪いですからね。管理人は削除する義務があるので、肖像権の侵害だとか、プライバシーの侵害だとかでメールを出すとたいてい削除してくれます。
それでも消しきれないのがネットというもの。やはり開き直りの気持ちは大切です。


6)引っ越す、名前を変える
今回の事件の場合、引っ越しをすれば大抵の人はもう自分の発言と実名が紐つけることが出来なくなるはずです。
名前を変えるのは、女性は結婚で、男性の場合は養子縁組という形で姓を変えることが出来ます。これはもちろん最終手段ですが、最後の最後、使える手です。法律は詳しくないのですが、母方の祖父と養子縁組して苗字を変えた人を知ってるので、そういった最終手段もあります。また精神的苦痛を理由に改名も可能のようです。僕も本当ににっちもさっちもいかなくなったら改名します!


7)いっそ開き直って実名でブログをやる
過去のことを検索する人はそれでも沢山居ます。そんな時に、実名のブログで過去をきちんと釈明すれば、余計なことを言わないものが日本人というものです。このブログもそのために運営しているようなものです。



最後に
今回の件で、追い詰められてる人も多いと思います。でも、大丈夫だと思います。僕はなんとかなってます。場合によってはすべてを失うかもしれません。けど、それは新しい人生のスタートだと受け入れれば、いつかきっといいことあります。死ぬことないです。結局、人間は考え方がすべてで、現実に対応した考えさえ持てればいいんです。今、僕は生きてて良かったと思ってますよ。



※実名弱者は石崎森人の造語で、本名で検索すると過去の黒歴史が出てきて、社会生活に不利益を被る、あるいはそうなると怯えている人のことを指します。