映画 サマーウォーズ 感想

この映画は09年にロングランヒットを飛ばした映画で、まぁDVD化したので観たわけです。

あらすじ

主人公はちょっと弱気で人付き合いも苦手な、17才の理系少年。
高校2年の夏休み、天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、憧れの先輩、夏希にアルバイトを頼まれる。二人が辿りついた先は、長野にある彼女の田舎。そこにいたのは総勢27人の大家族。夏希の曾祖母・栄は、室町時代から続く戦国一家・陣内家の当主であり、一族を束ねる大黒柱だ。
栄の誕生日を祝うために集った、個性豊かな「ご親戚」の面々。そこで健二は突然、夏希から「フィアンセのフリをして」と頼まれてしまう。
栄のためにと強引に頼み込まれ、数日間の滞在をすることになった健二。賑やかな親戚の面々に気圧されながら、必死に「フィアンセ」の大役を果たそうと奮闘するのだった。
そしてその夜、彼の携帯に謎の数字が連なったメールが届く。数学が得意な健二はその解読に夢中になるのだが…
翌朝、世界は大きく一変していた。健二を騙る何者かが、世界を混乱に陥れていたのだ。
「私たち一家でカタをつけるよ!」
栄の号令のもと、健二と夏希、そして陣内家の面々が、一致団結して世界の危機に立ち向かう!


あんまり長いこと解説はする気はありません。とりあえず観ろ!です。
構成、演出、アニメーション、どれも10点満点あげたい。

ストーリーがゆっくりと進む場面では美術が素晴らしく見とれるし、次どうなるんだよ!という場面ではびっくりサプライズがある。もちろん、こうなったらいいなぁという鑑賞者の願望を一秒先に先読みしているところなんか、スピルバーグの映画手法を上手くまねてるなぁという印象があった。



栄ばーさんが束ねる旧家というのは憧れるとともに、その家の特別性というのを感じた。うちも祖先は武家だけど、いわゆる下級武士であり、しかも幕末に幕府側についちゃったおかげで何も残せず、さらに自由民権運動とかやったり金山堀に朝鮮半島渡ったりとむちゃくちゃな人だったから、うちは直系だけど核家族な訳です。だからああいう大家族で親戚同士が集まるというのは憧れるとともに、異質感を感じる。
物語でも、カズマというストーリーの中心人物がいるのだけど、彼は陣内家の長男でありながらネットに引きこもる少年として描かれている。
純粋に親戚一同仲良しって訳でもない、やはり現代における複雑な人間関係、親戚関係におけるこじれた表現もこの作品には取り込まれている。
こういう部分がこの作品をただの「大家族物」で終わらせてないリアリティを持ち込んでいると感じた。

そしてこの作品は主人公の健二と夏希、そして陣内家の大家族、さらに仮想空間上の有象無象の人たち(マルチチュード)というたくさん人々の結束物語である。

現代人は人間関係がバラバラであるという孤独感を抱えている。これが一つになったらいいなという希望を持っているのであろう。だからこの作品のダイナミズムな結束に心を打たれるのではないだろうか。
だからこれはアンチセカイ系の作品だと思う。セカイ系のふりをしてセカイ系にアンチテーゼをかがけているのだ。

ラストのシーンは賛否両論あるかもしれないけど、自分は傑作だと思った。昔のジブリを感じさせる爽快さだった。なにより、栄ばーさんの笑顔がすべてを語っている。

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サマーウォーズ [DVD]

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